
かつて名だたるミュージシャン達が熱いオマージュを寄せてやまない悠久の国、インド。ロックというある意味自由を求める音楽は、精神的解脱を試みるようになっていく。そしてヒッピー文化と同じく、最終的に仏陀が生まれ悟りを開き、涅槃に至った彼の国に崇高さを見出してきた。ジミの
「Axsis: Bold As Love」のジャケットにも見られるように、エキゾチックな憧れも手伝ってか競うようにロック式曼荼羅を描くようになっていく。特に消費的な米文化より元々アーミッシュな生活様式を知るブリティッシュ・ロックな方々には顕著なようにも見える。しかし物足りない、何か物足りないのだ。なぜだろう・・・。
答えはほどなく分かった。本屋さんで手にした1冊の本、そこに書かれたおいしいカレーの作り方。そう、彼らはカレーを理解していない。いや、理解していないと言うのは言い過ぎかもしれないが、イギリスに行ったヤツの話しを聞けば相変わらずのフィッシュ&チップス。このように音楽的に啓蒙し、かつてはインドを地球の裏側から支配していたにも関わらずだ。
一方の我々はどうだろう。カレーの単語を聞けば、外にいてもわかる独特のスパイシーなあの匂いをかげば、心が躍る。お母ちゃんがカレー宣言をすれば子供達はベルトを緩めながら集まり、3杯はノルマとして食べ、カレーうどん、カレーおじやに至るまで向こう3日は食い尽くすほどソウル・フード化している。和風にアレンジしてみたり、海の男達は曜日感覚を保つのにカレー曜日まで設ける始末。ロダンの「カレーの市民」と聞けばインドのどこかと勘違いし、海外に持って行くのは、ふりかけ・梅干・レトルトカレー。ターメリックは酒好きなお父ちゃんの肝機能を助け、カプサイシンはお母ちゃんの脂肪を燃やす。カレーを飲み物という輩もいるが、さらに言えば血液と言っても過言ではない。ラーメン同様にTVにカレーが写れば思わず言葉が漏れる、「うまそう・・。」。